京丹後で出会った伝統と革新のラグ
- Mayumi Matsunaga

- 8月29日
- 読了時間: 5分
日本の手仕事が宿る「足もとの芸術」
皆さま、こんにちは。MAY Design(メイデザイン)の松永です。
以前のブログで少し触れましたが、3月末に京都の京丹後市へ視察研修に行って参りました。全国から集まった志を同じくするデザイナー仲間15名と共に過ごした2日間。
工場の視察から老舗旅館でのインスタレーション見学まで、本当に濃密な行程でした。
こうした内容は通常プロ向けの研修が多く、実際に使用されるエンドユーザーの皆さまには、私たちプロが伝えない限りなかなか知っていただけない貴重な情報ばかりです。
プロの知識として留めておくのは大変もったいないと感じましたので、ぜひこちらのブログでもご紹介させていただきますね。
世界のビッグメゾンが信頼を寄せる、京丹後の手仕事
京丹後は古くから「丹後ちりめん」や「西陣織」の産地として知られる場所ですが、時代の変化とともに工場の数も激減しています。
そんな中、今もなお世界基準の技術を守り続けているのが、スミノエグループのラグ工場「丹後テクスタイル」です。

そこには、私たちが普段何気なく目にしている「インテリア」の裏側にある、圧倒的な熱量と職人たちの誇りがありました。
工場で特に驚いたのは、その徹底した手仕事の工程でした。
「ハンドタフテッド」という手法で、職人さんが一枚一枚、キャンバスに専用の工具で糸を打ち込んでいく作業。デザイン性の高いラグになると、1日にわずか4〜5平米ほどしか進まないといいます。

実は、名前こそ明かせませんが、誰もが知る世界のビッグメゾンやラグジュアリーブランドの店舗ラグもここで作られています。世界中から指名が入る理由は、その緻密な目詰まりと、ニュアンスカラーを見事に表現する繊細な色の再現力、そして職人の高い技術力にありました。

伝統と現代が溶け合う「RETANGO」
今回の視察のハイライトは、老舗旅館『万助楼(まんすけろう)』でのインスタレーションでした。
「RETANGO(リタンゴ)」というプロジェクトの一環として、純和風の空間に、現代的なデザインのラグと家具を配する企画です。

畳の上に、ウールとシルクが織りなす艶やかなラグが贅沢に敷かれ、そしてモダンな洋家具が置かれ、お互いがお互いを引き立てあって、インスタレーションを手掛けたデザイナーの絶妙なセンスを勉強させていただきました。
「古いもの」をただ守るだけでなく、現代のライフスタイルにどう調和させていくか。
私が大切にしているモダンエレガンスに通ずる一つの答えが、そこにありました。

デザイナーとしての「引き出し」と「使命」
夜は旬の美味しいカニ料理とワインと地元の日本酒をいただきながら、全国から集まったデザイナーたちと深夜まで熱く語り合いました。

そこで皆と実感したのは、
「プロのデザイナーとは、膨大な引き出しの中から、そのお客様にとっての最適解を厳選してご提案できる存在であるべき」
ということ。
今回、私の引き出しに新しく加わったのは、まさに日本が誇る最高峰のラグでした。
正直なところ、高級ラグの選択肢といえばヨーロッパ製が主流で、もちろんそれらも素晴らしい魅力を持っています。
けれど、実際に製作現場を拝見し、職人さんたちの手さばきや、私自身も体験して知ったその「手作業の難しさ」に触れた今、私はこの「メイド・イン・ジャパン」の圧倒的な品質を、自信を持ってお客様にお勧めしたいと強く思いました。

職人とクライアントを繋ぐ架け橋として
私のお仕事は、単に美しい部屋を作ることだけではありません。
素晴らしい技術を持つ職人さんと、本物を求めるクライアント様を繋ぐこと。それによって、日本の美しい伝統が次の世代へと受け継がれていく——。
微力ながらその力になりたいと、京丹後の冷たく澄んだ空気の中で決意を新たにした旅となりました。

この「RETANGO」プロジェクト、次回は9月に東京で開催される予定です。
普段はなかなか足を踏み入れにくいギャラリーなども巡るツアーを組んでくださるそうで、私も久しぶりに東京へ足を運び、参加させていただく予定です。
今からとても楽しみです!
皆さまの住まいにも、ぜひ物語のある一枚を。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう。





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