「その家具」のバックグラウンドを知る。(前編)
モノを選ぶときの基準には、さまざまな要素があります。
デザイン、好み、雰囲気、ブランド、金額、サイズ、色、納期……。
これは家具に限らず、洋服や化粧品、家電、車、あるいは音楽など、私たちが日常で選ぶすべてのものに共通しているはずです。
もちろん、それらはどれも重要な要素です。
ですが、そこにもう一つ「バックグラウンド(背景や物語)」という視点を加えてみると、モノの選び方が少し変わり、今までとは違った深みが生まれます。

たとえば、好きなアーティストがいたとします。
曲やビジュアルが好きだという理由はもちろん大前提。
加えてその歌手の生い立ちやデビューまでの歴史、表舞台からは見えない楽曲制作の葛藤や音楽哲学などを知ることで、さらに深く好きになった経験はありませんか?
あるいは、今まであまり興味がなかったアーティストなのに、ふと背景にあるドラマを知ったことで一気にファンになってしまった、という経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
画家や作家、プロダクト、あるいはブランド。
すべてにおいて「バックグラウンド」が存在します。
それをほんの少し知っているだけで、自分がそれを選んだことへの納得感が増し、愛着や自分自身の選択への自信へと繋がっていくのだと思います。

実は私自身も先日、改めてその「バックグラウンドを知る深さ」を体感する出来事がありました。
インテリア業界では誰もが知る、イタリアの高級モダン家具ブランドである「カッシーナ」、その日本オリジナルブランドである「カッシーナ・イクスシー」の存在はもちろん知っていました。
ですが、その生い立ちや歴史をじっくりと辿る機会は今まであまりありませんでした。
先日、カッシーナ福岡店でのイベントにお招きいただいたことをきっかけに、Webサイトのstoryやhistoryを改めてじっくりと熟読してみました。

「このような歴史を辿ってきたのか」と、誕生50年を迎えたイクスシーブランドの歩みに深く感銘を受けると同時に、私自身の年齢とも近いことに気づき、勝手ながら妙に親近感が湧いてきたのです。
カッシーナ・イクスシーの家具は、決して手軽に買えるものではありません。
だからこそ、ブランドが紡いできた50年の歴史という「バックグラウンド」を理解した上で、クライアントにご提案する。
私たちプロには、それほどまでに責任重大で、同時にやりがいのある役割があるのだと身が引き締まる思いでした。
(♦カッシーナ・イクスシーのWebサイトには、ブランドの成り立ちや歴史[About / History]が詳しく掲載されています。ご興味のある方は、ぜひ一度目を通してみてくださいね。)
カッシーナ・イクスシーに限らず、どのブランドにもそれぞれの物語や哲学、作り手の情熱が存在します。
家具を選ぶとき、ただ見た目やサイズを合わせるだけでなく、その背景にあるドラマを探ってみるのも、とても興味深い時間になるはずです。
皆さまがこれから家具や大切なモノを選ぶとき、その「引き出し」の一つとして、
~バックグラウンドを知る~
という視点を加えていただけたら嬉しく思います。

さて、次回は後編として、このカッシーナ福岡店で直接お話を伺った、カッシーナ・イクスシーの新アートディレクター「ガムフラテージ」のエンリコ・フラテージさんのトークセミナーでの深い学びと、彼の提案する Way of Living についてお届けします。
どうぞお楽しみに!





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